28.Gマジェ400 高速ワインディング試乗 2005.05.29
前回のレポ は、かなり厳しく狭い国道であった為、結構厳しい評価であった。
試乗させていただく機会があったので、再度考察してみる。
今回は、数時間程度のツーリングで試乗である。
流して80キロの峠である。うまい人なら120キロですかね
動力性能
流している限り、マジェ400は十分な動力性能を持っている。
60キロ前後にトルクが強く、軽快に速度を乗せていく。
80前後から加速力は減少していく。しかし、250と違うところは、ここからでもゆったりと加速を続けていくことだ。
短い直線で、110キロぐらいは出すことができた。 高速では、軽く120キロで走れるそうである(次回、高速で乗っけてもらう予定?)
60キロ程度で走っている車の追い越しも十分やっていけるパワーがある。ツーリング先でチンタラ走っている車は問題ない。
但し、追い越しはパワーがあってナンボの世界。追い越しをラクチンに安全にやりたい人は、400ではちょいと役不足かもしれない。かなり余裕を持ってやる必要がある。
銀翼のパワー
銀翼600の魅力のひとつは、80キロからの爆発的な加速力である。 (スクーターにしては)
海外仕様では、結構パワーに余裕がある部類だろう。
マジェの変速セッティング
マジェに限らず、ヤマハ系はエンブレが小さい。乗り比べをしてくれたポチさんも、銀翼はエンブレが大きいと言ってました。
(注意、プーリー海外仕様 ウェイト国内仕様の変則銀翼なので、国内仕様とは異なります。)
回転数の動きをチェックしてみました。
アクセルオフの際の回転数の下がりは、ホンダが約500回転ほどなのに対し、ヤマハは約1000回転ほどなのです。
おおよその目安なのですが、普通のバイクのトップ近辺のクロスしているギヤの回転数の差が500回転ぐらいです
つまり・・アクセルを抜いたとき、ホンダは、1速シフトアップ。ヤマハは、2速シフトアップ程度の制御と考えられます。
ちなみに、銀翼の国内と海外仕様の回転数差は、約500回転です。500でだいぶ違います。
で、何が言いたいのかといいますと、ヤマハの制御の方がエンブレが少なく、マッタリ走りやすいということです。
銀翼の場合は、大きくエンブレが効き、アクセルオフからの再加速がやりやすい。強い加速減速を繰り返すなら、ホンダ式がGOODです。
ツーリング系の人間としては、ヤマハ系の制御に好感が持てます。積極的にハイギヤに移行するので燃費は伸びやすい。そして、巡航時のアクセルが敏感ではないので楽になります。銀翼の海外仕様は、痛快に加速してくれるので峠などでは楽しいのですが、高速巡航や一般道マッタリモードでは、トップギヤに入れられないバイク状態で、肩が疲れるのです。1-2時間のことではなく、半日とか一日単位の話です。仕方なく、私は国内仕様に戻しています。
バイクの挙動で、人間の行動も変化します。マッタリ巡航系なら、マジェ400はいいバイクやとおもいます。
本当は、状況によって、変則制御を選択できたら理想的です。究極は電子制御ですね。実際に、フォルツァZやスカブが存在します。スカブはチェックしていません。フォルツァZは、加速モードはマアマアいいのですが、Dモードでエンブレが強めで私はチョイ不満でした。理由は、人間は常に同じ位置に体を固定するようには出来ていないからです。一定速度で巡航する際に、エンブレが強いとアクセルを微量制御する必要があります。30分程度ならいいのですが、1時間になるとつらい。オマケにホンダのアクセルは、安全を重視して重たくなっています。例えると、水の入ったペットボトルを常に持ち上げているのと同じです。もし、10秒ごとに腕をブラブラさせられるのなら、だいぶラクです。しかし、誤差1センチで維持しようと思えば、大変な苦痛になります。ちなみに、銀翼で無理して肩壊しました(笑)銀翼では、肩が疲れます。それは以上の理由からもっともな話です。
だんだんと、話がずれてきました・・・
結論としては、巡航するならヤマハの制御に好感が持てました。但し、アクセルオフからONへのタイムラグがあります。
峠をかっ飛ばすならホンダもいいと思います。エンブレが強く、コーナー中でアクセルオフでスピードコントロールしやすい。そして、フロントにトラクションがかかりやすいでしょうね。
銀翼でフロント加重はあまり気持ち良いものではありませんが・・・
Gマジェの足回りの総括
何度も乗り換えて確認しました。
マジェの足回りは、非常に優秀です。コーナー侵入時に狙ったコースに入ってくれます。銀翼に乗っている人ならわかると思いますが、気を抜くと全然曲がってくれないときがあります。特に、微小なバンクから旋回していくので、非常にコントロールしやすく感じます。銀翼はフニャフニャしますが、マジェではそれはありません。
残念ながら、いいことばかりでは有りませんでした。
リヤがまるっきりダメです。非常に固く、段差を吸収しないのです。
笑っちゃうほどダメでした。
道の駅等で、速度をあまり出さないようにするための段差があります。普通の速度(そこそこ徐行)で走ると・・・いすから飛び上がります。
まるで100キロぐらいでジャンプ台に突っ込んだ感覚です。例えるなら、思いっきり足を固めたジムカーナ用の自動車みたいな挙動です。
銀翼では、それなりにショックは来ますが、人間がジャンプするまでは行きません。
道の駅の段差は、かなり極端な例です。一般道で結構大きめの段差があります。マジェは、そこで、かなりきつい衝撃が来ます。フロント部分は非常に優秀で、段差を何事も無くきれいに吸収してくれるのです。しかし、リヤが全く動きません。ドカーンとすごい衝撃が来ます。例えると、思いっきりドンケツされるような感じです。(おしりでおしりを押す遊び)
はっきり言って、腰が悪い人は、やばい。
確かに、足を固めているレプリカ系等のバイクで、こういうことは確かにありました。ただ、通常のバイクでは、ステップで腰を浮かせられます。段差を確認できれば、強い入力をなんとかさばけます。
スクーターの場合、どっしりと座り込んでいるので、「段差がキタ!」とわかっていても何も出来ないのです。
リヤの足回りがエンジンと一体になってスィングするから、仕方ないのかもしれません。ただ・・フォルツァではここまではひどくなかったような気がしますが・・・
リヤショック交換で変化すれば良いですね・・。
まとめとしましては、非常に良く走ります。コーナーは、銀翼と同じペースで走れます。
エンジンの不調について
前回試乗したときの変な感じがなくなっていました。アクセル開けはじめの一瞬の失火のような不快感がなくなっています。
エンスト対策を含め一度調整してもらったようです。
特に不具合無しでいい感じでした。
エンジンについて
600の二気筒と比べると、ヤッパリダメです。
銀翼は、グァァァっと加速してくれるし、アイドリングも静かです。
マジェにはそれがありません。
実用的には、全く問題なしです。250単気筒からの乗換えでは満足度満点だと思います。
銀翼が発売される以前の時代に出ていたら、大満足だったと思います。
ですので、Gマジェを考えている人は、 絶対に銀翼に乗ってはダメです。
エンジン品質は、銀翼がヤッパリ良いです(きっぱり)
デザイン
z
まあ、デザインは好みなんで、何を言っても無駄です(笑)
マジェのリヤ周りのかたまり感は、好きですね。
マジェのバックレストは、あんまり好みではないかな・・・純正のデザインが変わってしまうので・・・。
マフラー部分から覗き込んで、ガソリンタンクを見る。
ラジエター
総括
いいバイクです。パワーも流している銀翼に十分ついていけます。価格もソコソコお手軽です。燃費も伸びます。荷物もたくさん入ります。
ツーリングのツールとしては、合格点です。
リヤの動きがなんとかなれば良いですね。ピョンコピョンコはねるのは、なんとかならないのでしょうか・・・。
リヤサス形式の限界でしょうか?銀、TMAXでは無かった現象です。慣れれば大丈夫かな・・・。
腰の悪い人はやめといたほうが無難です。本気でこのGのかかり方はヤバイと感じました。思わず「ウォ!」って声が出ますから(笑)
あとは、ガツッとした加速を求めているのなら、もっと大きなバイクが良いでしょう。高性能とはいえ、やはり、単気筒400です。
無理せずマッタリ流して走る人には、いいかとおもいます。
マジェ400オーナーのポチさんは、 銀翼の痛快な加速がえらく気に入っていました(笑)
足回りはヤッパリフニャフニャで怖いとのこと。
私のバイクが10万キロでヘタっていることもあります。
銀翼の04以降では、エンジンマウントが変更されているので、もうちょい良くなっているかもしれませんね。
最後は、高速巡航を試させていただく予定です。いつかはわかりませんが・・・機会があればとの話があります。
果たしてどのような高速性能なのか楽しみです。
なぜ、マジェ400が気になるかというと、マジェ250から入ってきた人間だからです。
100キロ前後で一般道を巡航する機会がありました。
まあ、何にも無い田舎の海岸沿いの田舎道なんでコレぐらいで巡航してしまいます。
■風圧がやわらかい?
気がついた1点は、銀翼に比べ、風圧がやわらかいこと。銀翼の場合、鋭い風がヘルメットにぶつかってきます。マジェ400の場合、その風のあたりが弱く快適でした。うまく撒き散らしている感じ。フロントスクリーン前の吸入口から入ってくる風の風圧が銀翼より強い(手で風圧をチェックしてみました) その為、うまく流れているのかもしれません。
但し、出せるスピードの速度レンジが一つ違います。銀翼の場合、150ぐらいで巡航できてしまいます。その速度域では、乱流が少ないほうが安定するでしょう。 次の機会にでも、高速上で最高速域の確認をしてみたいと思います。
■手首の風圧
フォルツァ、マジェに共通する事柄に、手へのウィンドプロテクションがあります。直接手に風が当たらないよう、フロントカウル形状をうまく工夫してあります。 実際にマジェ400で風圧を確認してみました。手の表面をなめていくような整流が行われていました。透明のプラスチック板でもちょいと追加してやれば、もうちょいUPするかもしれません。
話はちょいとずれますが、パンヨーロピアンや、スカブ650は、ミラーによって手首への整流を行っています。
■足回りの固さ
前回書いていた足回りの固さ。
確かに固いのですが・・・あまり極端な道を極端な速度で走らない限り、慣れで大丈夫かなって感じです。
動きが固いのは確かです。
■運動能力
一般道の移動で80−100キロペース。ちょいと飛ばし気味で巡航しました。(免許や事故に関しては個人の責任ですけどね)
早朝&夜間系ツーリング、田舎道ツーリングに十分に使えます。移動時間は他のバイクとさほど変わらないでしょう。
がんばれば、なんとか追い越しもできます。
・ 60万台の車体の価格
・安価なバイアスタイヤ
・ 20以上をキープする燃費
・ イロイロ装備を追加することなく十分に満たされる積載能力
・比較的軽量な車体
ってことで、400スクーターは、クラスを超えてなかなかハイバランスだと思います。
250だとパワー不足でストレスが溜まるし、大型バイクだと維持費がきついんです。取り回しも疲れますし。
そのもうちょい上のクラスに銀翼、旧TMAXがあります。このへんだと、横暴な追い越し走行ができるパワーがあります。(要海外仕様)
結構攻めて走れるようになります。
そのまた上にスカブ650と新TMAX 。普通のバイク並みに走ります。
しかし、このクラスになってくると車両価格とか維持費が普通のバイクに近づいてきます。 まあ、それでも逆車のツアラーよりは格安ですけどね。
金が関係ない、関係有るってのは、個人の価値観の問題なんですよね。
お金が有ってもいやなものにはお金を出したくはないし、お金が無くても欲しいものにはお金を出します。その領域の話になると、正直言ってわかりません。
とりあえず、趣味の道具は別に置いて、旅のツールとしてはバランスが良いってことです。旅が主の人には、400スクーターは結構GOODなアイテムだと思います。