23.マジェ400国内仕様 峠走行レポ 2005.05.08

 

 

高知のぽちさんにマジェスティ400国内仕様を試乗させていただきました。
今回は、実際にツーリングで楽しむ細い山道、広い国道で長時間試乗。

以下は、シルバーウィング600初期型と、Gマジェ400国内仕様の比較です。

エンジンのフィーリング
シルバーウィングは、2気筒。マジェは単気筒。
結論から言うと、気筒数の違いは有るが、エンジンはホンダがいい。ホンダのほうが制御の精度が高いと感じた。

アクセルを全閉してから開けた瞬間に一瞬(1パルス?)エンジンが止まってしまうこと。
ほんの一瞬だがエンジンが止まる。アイドリングでほんの少しアクセルを開けるとすぐにわかる。
実際の峠では、コーナーに進入し、立ち上がって加速を開始する際に、アクセルを開けても一瞬加速しない状態が存在する。人間が一瞬、アレ?っと思った次の瞬間に加速を開始する。

それと同様だが加速中のパルスが不安定な場合があった。マジェ400は、タッタッタッタッタッと押し出すように加速するのだが、時々一回分が抜けてしまう場合がある。タッタッタッ?タッタッって感じである。
人間はリズムを感じているので、アリッ?て感じてしまう。

もしかすると、大排気量短気筒の特性だろうか?それとも、個体差?インジェクションの設定?点火系?素人には原因はよくわからない。とりあえず、2気筒ではこのへんは滑らかである。

追記 バイク屋さんで込み入った調整をしてもらってから快調になっていました。


振動
アイドリングでブルブルと車体全体が震える。走っている際も手が痛くなるほどではないが、ハンドルに伝わってくる振動は、やはり大きめである。デザインがクールで高級セダンというイメージから想像できない振動に面食らってしまった。
ただし、ある程度速度が乗ってくると振動は消えて快調に走り出す。80キロ以上は快適。いわゆるイメージどおりとなる。手がしびれていやになるというほどでもないので、慣れてくればまったく気にならないかもしれない・・・。

パワー
30キロぐらいだろうか?軽くアクセルを開けるとパワーが出ない場合がある。グイッと開けると元気良く加速を開始する。
ある速度以下では、アクセル開度により反応がまったく違うのかもしれない。

その領域を過ぎるとパワーが立ち上がり快調になってくる。短気筒特有のパルス感を伴って、軽くスキップするように車体を押し出していく。かなり急勾配で有ってもハーフスロットルで軽く心地よく加速していく。いかにも燃費が伸びそうなフィーリングである。
銀翼であればエンジンが唸りをあげる場面である。 まさしくスタスタっと進んでいくのが気持ちがいい。心地いい軽さを感じる。

ハンドリング

銀翼からマジェに乗り換えた瞬間、違いを感じる。ハンドルの切り始めの反応がすばやい。スッとフロントが向きを変える。大げさだがレプリカのような動きをする。ただし、それ以降は少しだるくなる。残念ながら、私はヘタクソなので攻め込んだインプレはできない。

マジェから銀翼に乗ってみたポチさんの意見では、銀翼は気持ちよく倒れるという。ただし、ある程度曲げていったときのウニョっというフィーリング変化は気持ち悪いとのこと。


フロントダブルブレーキについて
スクーター全般だが、初期の食いつきが非常に弱い。マジェも例に漏れず、非常に初期制動が弱い。本当にフロントダブル?って感じである。
私の予想であるが・・・スクーターは初心者の人も乗る。レプリカのようにガツっと効けば、みんな転びまくってしまうかもしれない。メーカーが行っている対策と思われる。パッドを交換してみるといいかもしれない。

フロントの剛性感はかなりのもの。強めに握りこんだ際の車体の安定感は、スクーターらしからぬものがある。残念ながら、効き始めが弱いことと、後で述べる前後独立もあり、ブレーキのパワーを引き出すことが難しかった。

前後独立
銀翼は、前後連動である。体に染み付いていて、ありがたみもわからなかった。
久しぶりにマジェの前後独立タイプに乗った。ブレーキが結構難しい。慣れの問題だろうか?改めて、前後連動のありがたみを感じた。

結論から言うと、前後連動の方が速度を落としやすい。特に、高速度から一気に速度を落とすのが非常に安定して楽である。
通常のバイクと異なりスクーターでは、左手ブレーキであり、リヤヘビーである。これが特に連動ブレーキとマッチする。

前後独立だと、状況によってイロイロ変化させることができる。しかし、私のようにあまり感性が鋭くない人間にとっては、ソコソコでも常に安定して減速してくれるほうがありがたい。

あとは、好みの問題。

サスペンションについて

結論から言うと、ちょっと辛口になるが、とてもではないが高級セダンではない。

低速では、路面の小さいガタガタを吸収できない。足回りが硬い乗用車のようだ。

80キロ前後は、小さい段差を吸収して非常にいい感じになる。車体の剛性感もあり銀翼以上に感じる場合もあった。なかなかやるなと感じる。

100キロ以上、結構きつい。 特に小さい段差を吸収できず、リヤが安定しないので怖い。(峠の場合なので高速では大丈夫だろう。峠でかっとぶ時は怖い。銀翼では感じなかった怖さだ)


Gマジェは フロントは非常に動きがいいのだが、残念ながらリヤが動かない。素人でもわかるぐらいだ。
腰に直接振動が来る。銀翼では、きれいに衝撃を吸収してリヤの接地感がある。

もしかすると・・・二人乗りすると安定するかもしれない。サスの変更で改善されるかもしれない。
ちなみに、Gマジェにはプリロード調整が無い。

 

総括
せっかくのアルミフレームなのだが、後輪の動きが悪いエンジンユニット式サスと、振動が多い短気筒との組み合わせでデメリットが強調されてしまっているのではないだろうか? TMAXだったらよかったのかも(笑)

多少振動は強めだが、以前の250とは一線を越えた走行性能を持っている。簡単に80キロに加速できるパワーと、ハードブレーキできるフレームを備えている。 振動も手がしびれるということも無いので、ギリギリ慣れの領域といえる。

峠の急勾配で快適に駆け上ることができる。高速120巡航も快適。燃費が25まで伸びる。かっこいい外装デザイン。多くの荷物の積み込みもできる。使い勝手がいいリモコンアリ。価格も250の+6万の66万
総合的に考えると、ツーリングに使えるいいバイクの一台だと断言できる。

もし、試乗できるなら振動と足回りを確認して、納得してからがいい。

しっかりした足回りを求めるなら・・・・TMAXや銀翼、スカブ。
2気筒であること、リヤサスの差は、走行品質に大きく差がある。フレームでは超えられないものがある。

それにしても、やっぱり、バイクは、フィールドを乗ってナンボである。

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