銀翼開発者の声  2005.03.12 

発売当初、開発者のコメントが、ホンダのシルバーウィングのページにUPされていました。
http://web.archive.org/web/20021222003609/www.honda.co.jp/SILVERWING/interview/index.html  
こちらに保存されていることをあきさんに教えていただきました。 ありがとうございました。
こっちにも保存させてもらいました。
当時、 ビッグスクーターの新世紀でした。文面からその雰囲気を感じ取れます。



□ SILVER WINGを開発するにあたってのテーマは?
「ホンダとして大型スクーターの新しい世界を作りあげられるのでは無いか」と言うのが開発のスタートでした。お客様が求めるビッグスクーターのあり方を開発チームで検討したところ、スクーターとしての快適性や利便性を損なうことなく、さらにビッグスクーターの新しい世界として、特に高速走行での快適性を持つスクーター、と言うところに辿り着きました。それによって今までにないスクーターの世界、「SILVER WINGで二人の上質な時を過ごす」と言うライフスタイルをこの大排気量スクーターによって提案したいと思いました。(大美賀)

□ どんなユーザーをターゲットに開発したのか?
経済的にも社会的にもある程度の余裕を持ち、プライベートな時間を大切にしている30歳以上のユーザーをターゲットとしました。 またモーターサイクルを知り尽くしているユーザーや以前モーターサイクルに乗っていたリターンユーザーにも乗っていただきたいと思います。(大美賀)

□ 開発時に一番気を使った所は?
「ビッグスクーターの新しい世界への挑戦」と言う目標のもと、ユーティリティー機能を充実させつつワンランク上の速度域を狙って開発しました。そのためにウィンドプロテクションをより良くして乗り手の負担を軽くしたり、安定性を確保することに気を使いました。(三浦)

□ 走りのセールスポイントは?
乗り手の意志がダイレクトに伝わるハンドリングの実現はもちろんのこと、600ccエンジンの加速力です。今までにない世界ですから是非多くの方に味わって頂きたいと思います。(三浦)

□ SILVER WINGのデザインでのこだわりは?
今回のSILVER WINGは600ccのパワフルな動力性能とロングクルージングでゆったりと乗れる快適性の両立に重点を置いています。今回、シート廻りやいつも目にするメーター廻りなどに、高級感と使いやすさにこだわったデザインを採用しました。フロントビューは、CBR1100XXやフォーサイトで採用されている縦型2灯のヘッドライトなどをキーにして一目で分かる新しい顔を作って行こうと思いました。600ccエンジンと言うことでどうしても車体が大きくなってしまうのを、高級感を出しつつ極力コンパクトに見えるよう、面のちょっとした角度などの煮詰めにも多くの時間を費やしました。(國分) また、テスト担当者とデザイン担当者で良く意見がぶつかったのが、エアインテークの大きさやサイドラインといったアイテムです。テスト担当者としてはプロテクションは良くしたいし、デザイナーはコンパクトにしたい両者が実際に風洞実験室に行って5mmや10mmの僅かなラインの違いを決めていきました。(三浦)
ただ私が絶対譲れなかったのがユーティリティー性能でした。これでボディーサイズが決まりますから、意見を激しくぶつけ合いながら開発をしていきました。(大美賀)

□ SILVER WINGのネーミングの由来は?
モーターサイクルのフラッグシップがGOLD WINGであり、これに次ぐスクーターのフラッグシップ、と言う意味を込めてSILVER WINGと命名しました。 若い人達に目を向けますとシルバーはトレンドです。車体のデザインとネーミングがうまくマッチすれば、「SILVER WINGもブームになるのではないか」と思っています。(大美賀)
我々開発者としてはGT (グランツーリスモ)スクーターと言うのが開発のキーワードだったので、SILVER WINGと言うネーミングからGTスクーターが連想される様になれば良いと思っています。(三浦)

□ Hondaのバイクとしての環境への配慮は?
FIを採用したことです。数年先を考えFIを採用することによって更に緻密な燃料コントロールを実現し、環境問題にも対応出来るよう配慮しました。これによって騒音や排気ガスに対する配慮もしています。(三浦)

□ 大型スクーターならではの装備や新しい機能は?
第1に挙げられるのが収納性です。2人乗りを強く意識して来ましたので、リア廻りの収納スペースにフルフェイスヘルメットを2個収納することは開発当初から決まっていました。次に高速走行での快適性です。ソファー感覚のシートにも、質感、デザインにかなりこだわりました。加速したときのホールド感も評価を頂いてます。(大美賀)
第3に、細かいところですがメーター廻りにVベルトインジケーターを装備しました。ゴム製Vベルトの消耗をいち早くお知らせする事により走ることに集中していただくための新しい試みです。第4に、フューエルタンク容量も16にする事により巡行速度で250km~300kmの距離をワンチャージで走れるようになりました。(三浦)

□ ユーザーに期待することは?

SILVER WINGは様々な使い方が出来る「2人で楽しめる」スクーターに仕上がっています。是非2人で楽しめるシチュエーションを作っていただいて大切な人と出掛けて欲しいですね。(國分)
これからお客様の声を頂いて、カスタマイズを含めてどんどん進化させて行きたいと思っています。(三浦)
SILVER WINGは豊かなライフスタイルを送って頂くためのツールだと考えています。 数多くのお客様に乗っていただいて様々な使い方をしていただき、その意見を数多く取り入れる事によりお客様と一緒にこのGTスクーター、SILVER WINGの世界を発展させて行きたいと考えています。(大美賀)

 

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