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39.次世代スクーター INTEGRA Factbookから、考察してみる。 2011.11.5


個人的な勝手な考察なので、間違っている場合があります。
あと、ツーリングに使うバイクは5000-10000キロぐらい走り込まないと、ある程度の評価は出せないと思います。
劣化とかの要素を含めて。



2011年末、INTEGRAが発表されました

・約700ccの並列2気筒
・DCT(デュアルクラッチトランスミッション)
・17インチホイール
・通常のバイクと同様の足回り構造
・ヘルメット一個(らしい)
・スクーターポジション  (同じエンジンを持つ兄弟車で、通常ライディングポジションのバイクも有るようです)
・比較的低価格(らしい)

なかなか、面白いです。

■関連リンクまとめ (情報頂いた方ありがとうございます)

ホンダの正式発表 http://www.honda.co.jp/news/2011/2110926b.html
ホンダの新エンジン発表会 プレゼン画像あり http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20110926_479702.html
エンジンの内部説明の図多し 270度クランクなど
 
ホンダの発表 欧州で発表とニュースリリース 欧州仕様諸元有り http://www.honda.co.jp/news/2011/2111024.html
バイクブロス 画像が大きい ナナメ画像有り。 http://www.bikebros.co.jp/news/index.php?e=920
motorsounds 乗車した画像と、3色サンプル http://blog.livedoor.jp/motersound/archives/51672728.html
mcnの記事 正面画像、メーター画像、変速機横画像あり。 http://www.motorcyclenews.com/MCN/News/newsresults/New-bikes/2011/October/oct2411-honda-integra-promises-low-running-costs/
ホンダイタリア 外人さんが乗っている真横画像有り  http://www.hondaitalia.com/modelli/scooter/inte700c


■中型排気量初、DCTが熱い

DCTというのは、googleで調べてもらうといろんなサイトがあるので、そちらをしらべてもらったほうがいいのですが・・
簡単に説明してみます

従来のマニュアルミッションでは、1.クラッチで動力を切断>2.フリーとなったミッションのギヤ比を切り替え>3.クラッチを接続 
のステップを踏んでました。
クラッチの切り加減、アクセルの緩め具合など、なかなか難しいものがあります。慣れるとある程度はすばやくできますが、やはり、難しいものがあります。

DCTでは、名前のとおり、二つのクラッチがあります。偶数ギヤと、奇数ギヤ用の二つのクラッチがあります。
1速>2速に変速するなら、1速がつながっている奇数クラッチを切り、2速がつながっている偶数クラッチを接続します。一瞬で、変速終了です。
書くのは簡単ですが、実際は難しいようですね

■WIKIが参考になりました

http://en.wikipedia.org/wiki/Dual_clutch_transmission
デュアルクラッチトランスミッション - Wikipedia:

クラッチを二つ持つ考え方自体は、かなり昔からあるみたいですね
2010年辺りから、車、トラック、バイクと次々と実用化されているようです。特許とかそういう関係なのでしょうか?
同心円状にクラッチを並べる構造は、特許となっているようです。
中空の軸の中に、軸を通している構造も特許なんでしょうね。


単に構造だけではなく、滑らかに変速させるためには、エンジンのトルクをきめ細かくコントロールをする必要があるようです。ミッションに乗っていると変速時に少しアクセルを緩めますよね。
そのあたりの細かい周辺技術が熟成してきて、最近のDCT化なのかもしれません。
少なくとも、エンジンとミッションを同時にコントロールする必要があります。かなりの技術が必要だと思われます。


■ホンダのFACEBOOKが面白い
バイクってのは、乗ってみないと正直判らない。金持ちだったら、片っ端から購入していけばいいのだが、そうはいかない。
じゃあなにをヒントに選ぶか?
そこは、やはり企業の方向性や、車体のコンセプトが重要だと思う。作った人が自分と同じ方向性を求めているなら、少なくとも大きなハズレは無いと思うのだ。

ホンダがなぜか発表している、FACTBOOKは、開発者側のコンセプトが書いてある。これは非常に参考になる。
で、ネットを探していると、FACTBOOKを発見した

次世代グローバル700ccエンジン 第二世代デュアル・クラッチ・トランスミッション 技術説明資料 FactBook 目次:


自分用に簡単にまとめてます。できれば本文を読んでください





最近の先進国での中型排気量のモーターサイクルの要望
・日常での扱いやすさを第一に、郊外ツーリングからワインディングのFUNな走りも、納得できる価格で実現したい

 

中型排気量ユーザー(欧州)での使われ方
・速度域 140キロ以下 90%
・回転数 6000回以下 80%


>日本だとモット低いかもしれませんね。

開発コンセプト 常用回転域で力強いトルクを発揮する、扱いやすい出力特性の低燃費エンジン

議論したこと
1.次世代のエンジンに求められるものは
2.車体レイアウトの自由度、利便性の高いスペース
3.軽量コンパクト、常用回転域で扱いやすい上質感



・あまり使われない最高出力でなはく、低中回転の実用領域を優先
700cc 前傾62度 並列2気筒、OHC 



並列2気筒について
V2は、バランサーが不要で、振動面パワー的に有利です。レプリカのNSR、VT系では、V型レイアウトになってます。
エンジンの体積が大きい欠点がありますね。 今回は、スペースが優先されるコンセプトなので、並列2気筒なんだと思います。

OHCについて
OHCは、オーバーヘッドカムって意味です。DOHCもOHCの一種ということになるのですが・・・
ここでは、DOHCに対して、SOHCのことを指していると思われます。カムシャフトが1本なのか、2本なのかの違いかと思われます

SOHCのメリットについて、調べてみました SOHC - Wikipedia:

メリット 
・駆動抵抗が少ないので、燃費に有利
・コンパクト
・部品が少なくなり、安く軽くできる

デメリット
・レイアウトの自由度が低い。 

レイアウトの方でうまくやりくりできたのかもしれません。


・心地よい鼓動感、排気音
270度位相クランク  
あえて、不等間隔で点火タイミングにするkとで、V2のような鼓動感を出している。高回転化という意味では、180度クランクが有利だが、今回はコンセプトが違うので270度ということのようだ。
180度クランクをねじって作るという、すごい作り方のようだ。

1軸1次バランサー
2軸1次バランサーだと完全に振動を少なくすることができたが、あえて1軸とし、振動を残したとのこと

もしかして・・・と思うのですが
コスト的に、エンジンの大きさ的にも、1軸1次バランサーにする必要がある。そうすると、どうしても振動が少し出てしまう
じゃあ、その出てくる振動を心地イイモノにしたらいいんじゃないか?って考えたのかも・・・ まあ、素人の予想なんですけどね


ヘッド内分岐吸入ポート
通常、気筒ごとに独立している吸気を干渉させているようです。
目的は、成熟したテイストの為とのこと・・・。
私は当初、コストダウンでインジェクションを一本にするためか?と思っていましたが、インジェクションは、各気筒ごとに一本ありました。
ネットでちょいと調べてみると、吸気の時間差を利用した脈動効果を使えるようです。

4輪車用エンジンの燃焼技術を参考

ボアストロークが、73*80mm これ、FITとおんなじなんですよ。
自動車用の膨大な基礎データーが流用できるのかもしれませんね。



ストイキ領域でのアイドリングが可能になっているようです。
車では、アイドリング時には、いろんな条件から、ガソリンを通常ちょいと濃い目にしているようです。バイクはどうなのか、ちょいとわかりませんが・・・

ヘッド内で排気が集合されている
触媒は、エンジンの排気口の直後にあります。触媒は高温の方が効果を発揮しやすいので、排気口の近くが良いようです。
排気の経路の取り回しが、かなり苦しい感じです。スペースが無いので、難しいんでしょうね。


低フリクション化
オイルポンプ = バランサーシャフト同軸駆動
水ポンプ   = カムシャフトと同軸駆動  

同軸にすることで、ギヤを減らしフリクションを減らしているようです。
水ポンプの駆動力をカムシャフトと同軸にすることで、水の経路を従来の1/3に
とても面白い構造ですね


ピストン樹脂コーティング 軽量アルミロッカーアーム
今、定番になっている技術ですね

 

DCT

インテグラでは、DCTが第二世代ってらしいです。元祖VFRとの違いが、非常に気になります。


1.ハードウェア  右側カバーに、リニアソレノイドバルブを内臓 油圧回路長を40%短縮
VFRでは、どこなのか不明


2.ソフトウェア 学習機能追加
・ライダーの走行を学習し、町を走っているのか、峠かを判断し、変速プログラムを変更する
・オートモードでライダーがマニュアル操作した後、特定の条件で自動的に通常のオートモードに戻る


3.排気量に最適化したクラッチ

4.プライマリードリブンギヤをクラッチで挟み込む形状


特許関係ってコーナーがあります
コンパクト化するにあたって、イロイロな特許を取得しているようです。

吸気関係
インテグラでは、エンジンの真上にエアクリーナーがあるようです。吸気経路を稼ぐために、S字形状を特許にしているようです
特許になるんですねぇ・・


排気ポートの凹部
通常、排気ポートは、まっすぐに流れるようにするのですが・・・排気ポートに1cm程度の結構なヘコミがあります。一見、なんじゃこりゃ!って形状です。
トルクの為に効果があるとか・・・・


シリンダーヘッドの凹部を作り、ラジエターがギリギリまでエンジンに近づけている。
ヘッドとラジエターのスキマは、5mmぐらいです。すごいです・・・・

クラッチ制御オイルの経路がATの内部みたいになっている。
ホースを通すのではなく、鉄の中に穴が開いている

メインのオイルポンプの圧力を活用することで、制御側のオイルポンプを小さくできた
VFRでは大きいのが2つ有った?

変速制御1 スロットルの開度と、大気圧センサーの値から、峠モードにするか否かの判断材料にする
確かに峠は、高度高いですから。大気圧センサーは面白いですね。

変速制御2 ATへの自動復帰
ATモードから、MTモードへ手動介入する前後の走行状態を記憶。
特定の条件にあったとき、自動でATモードに戻してくれる。
なかなか面白そうですね。


感じたこと

おもしろそうなエンジンです。


コレまでのセオリーでは考えられないような要素が沢山入ったエンジンになっています。
最新のコンピューターで設計ならではの形状があったり、不思議なバイクです。
かなり複雑で、生き物みたいです

中低速重視ってかなり強調していて不安になります
セローなどの中低速重視のバイクでも、峠は楽しいので・・・・
思っているよりは、楽しいかもしれません。


振動に関して、質感にこだわりがあるようです。
「成熟したテイスト」って、どんなんだろう・・・って気になります
機械的な音ではなく、ちょいとドロドロって感じなのでしょうか。V2エンジンにこだわっているようです。
youtubeでVFR1200の音を聞いてました。シュワーって感じではなく、ちょっと脈動するような音なんです。
それがいいと思えるのか、それとも綺麗に回らないと感じるかは、その人次第ですけど。
ミラーがプルプルして後ろが見えないぐらい振動があったらやだなぁ・・・(笑)

700で中低速仕様、DCT、その他コンセプトは、正直ツボにはまっており、買い替え第一候補です。
縁がありましたら、ぜひ所有して、振動とか、ATのシーケンスなど味わってみたいものです
現在所有している、CBR250Rのシンプルなのも捨てがたいんですけどね・・・

ちょこっとつーりんぐ  > バイクを適当に考察する