ちょこっとつーりんぐ > さかなのどうでもいいこと2009 ご感想など
図書館でプラプラしていると、少林寺拳法奥義という本が目に入った
少林寺というと、映画の少林寺36房を思い出す
熱いなべを持ったり、樽を運んだりとか、厳しい修行のイメージがある
ドラゴンボールのクリリンな感じ。
しかし、少林寺というのは、日本人が中国の拳法を取り入れて、日本でつくられたものらしい。格闘技軍団ではなく、宗教団体のようだ。
中国に少林拳といいう拳法もあるらしい。
ま、そのへんは WIKIの少林寺拳法とか見てほしい
宗教にした理由は、戦後に軍団、特に武術を学ぶ集団を組織することが難しかった。しかし、宗教の自由という抜け穴があったため、宗教団体として登録したらしい。
そういう、いきさつや、経験談など、創始者がうまく書いているので、面白い。
文章うまい
なかなか面白い
もうちょっと心がピュアだったら、入門しているのだろうが・・ちょっとそれには、心がすさみすぎている
戦中、戦後の厳しい時代を生きた人が作った団体なのか、結構合理的な側面がある。
軽く、興味をもった部分を書いてみる
私が勝手に解釈したものなので、勘違いしている可能性もある。気になった方は、原書を読んでくれ
1.理想だけでは現実では無力。実力が必要。 両方が伴わなければならない
奇麗事を言っていても、現実は厳しい。無法者を説得しても、力がある人間が弱い人間から話を聞く筈が無い。
正義を貫くには、ある程度実力が必要なのだ。
しかし、実力だけあってもダメで、やはり、正しい考えを持っていないとと、悪いことをはじめる。気が付くと自分が悪人になってるってことになる。
正しい考えと、十分な実力が両方そろって、はじめて意味がある
これは、技術者として、深く考える部分が有った
優秀で技術があっても、根本的な思想が間違っていたら意味が無い
理想的なことを語っていても、実際に実行できる実力がないと相手にされない
2.守主攻従
守りを固め負けないようにする。 攻撃してきた奴のスキをついて、逆襲する
ってことらしい
攻撃は最大の防御といわれる。しかし、死んじゃったらおしまいなのだ。
後ろから殴りつけるのならともかく、しっかり守っている奴を正面から崩すのはナカナカ至難の業である。
この本の前半は、思想。(思想を大事にしているらしい) 後半に実技の図がイロイロ紹介されてあった
守りで本当に有利になるのだろうか?という、疑問があった
読んである程度納得した。
特定の攻撃に対する必勝パターン的なものを研究して編み出しているのだ。
相手が手をつかんでくる。そこで、自分が腕を特定の動きをすると、腕を取られにくくなる。テコの原理のような感じ。
その防御の流れで、即反撃に移る。
簡単に言うと、後だしジャンケン。
攻撃を予想し、対応を練習し、準備している人に勝つのは、かなり難しい
そんなシンプルだが、なかなか思いつかない原理を生かしている
どうしても、勝つということを中心に戦略を組む傾向がある。負けないということを中心にする発想は面白いかもしれない
負けない(=死なない)限り、負けではない。
話がそれるが、
昔、株式など研究した際に気が付いたことがある。
プロは、負けないようにする手法をしっかりとっている。連敗してもやられない資金運用をしている。
素人は、いかに儲けるかだけに向かっちゃって、やられちゃうんだよなぁ・・・
この、守主攻従ってのは、一見地味で弱く感じる戦略だけど、強力な手法かもしれない。
3.中道 欲望と無欲、どちらか一方が正しいわけではない
これも、面白い考え方だなと
世の中いろいろ欲望がある。 欲望を求めれば求めるほどきりが無い。バイクに乗れるだけで幸せだーって思っていたら、こんどは大きいのに乗りたいとか、何台もほしいとか、今度はガレージがほしいとか無限地獄である
かといって、無欲になると・・・こんどは、生きている意味って何だろうという気分になる。
無欲なら、さっさと死んだほうが合理的だ。天国なら、お金も要らないだろう
結局、自分は、どれぐらい欲を出せばいいのかという、答えは出せていない
とりあえず、強欲、無欲の1極端が幸せじゃないとは、理解できた。
ホドホドにあきらめ気味ってのが意外とイイ感じなのかもしれません(笑)
4.まず自分が自立することが重要。それから、半分ぐらい他人のためにいいことをしましょう
正直、自分がかわいい。
自分を犠牲にして、他の人のために何かをするってのは、とってもステキな理想ってのは、理解できる。
それは分かるけど・・やっぱ、小市民には無理なんだよな・・・自分がかわいいですよ。
まず、がんばって自分をしっかりさせて安定しましょう。そのうえで余った余力があれば、自分で溜め込むのではなく他の人を助けましょうと。
それだったらできるかもしれないなぁ・・
マトメ
ま、いいことだけ受け取らせて頂こうと
現実主義で嫌いじゃないね、少林寺の思想は
最初、奇麗事ばっかり言っても人は集まらなかった。力=拳法を教えるというメリットを提供して、はじめて入門者が増えたそうです。
集まった入門者に対し、正しい力の使い方を教えるという手法。
合理的でいいですね。
文章がうまく、読み物として、面白い。興味があれば図書館で借りて読んでみてください。
あんまり関係ないけど、昔の青臭いカンフー映画が見たくなったなぁ
シンプルなんだけど、すごく熱くなれた記憶がある 今見てどうなんだろう
最後に
技術を積んだ人が悪人になると、かなり手ごわいでしょうね
でも、やっぱり、やられちゃうのかな・・・