1.はじめに
2.ブレーキ清掃、モミダシ
3.エアヌキ
4.使用する道具の説明
5.まとめ
2006.01.15 プロのまっちょさんよりコメントを頂いたので追記しておきます
さかなより
ブレーキは重要な部品です。作業ミスで大事故につながる可能性があります。十分注意して作業を行ってください。この記事の内容は、各個人の責任と判断の上で実行してください。
こうした方が良いよ等、アドバイスありましたらお待ちしております。
1.はじめに
フロントブレーキパッドを交換しましたので、久しぶりに銀翼関連の
メンテレポを投稿させていただきます。
シロウトなりのやり方ですが、以前お話しておりました
ワンマンブリーダーとキャリパーピストンプライヤーを使用した
一連の作業です
あくまで自己流ですが参考になれば幸いです。
皆様こんにちは! すっかり寒くなりましたネ?
ドゥービルを購入して以来ツーリングではすっかり出番の
なくなった銀翼ですが、毎日の通勤ではあいかわらず
大活躍しております。
今回はブレーキ関連のメンテレポを投稿させていただきました。
見よう見まねの自己流ですが、すこしでも参考になれば幸いです
2.ブレーキ清掃とモミダシ、パッド交換
どうやら昼から家族が車でお出かけをするらしい・・・駐車場があくぞ?
で、なくなりかけたフロントブレーキパッドを交換することにしました(^.^)
作業手順のかんたんなメモ(笑)
車のいなくなった駐車場に銀翼を移動させます。
そろそろ目標が見えてきたか!
学生時代から少しずつ買い足してきた工具
作業手順に従って、まずブレーキレバーの分解・清掃・グリスアップ
を行います
最近レバーのタッチが渋くなってきたと思ったら
ご覧の通り、グリス切れとサビが発生しておりました
パーツクリーナーで汚れを落とします
すっきり!
マスタシリンダーのボルトの稼動部分もきれいに清掃します。
マスタピストンの当たり面にグリスをてんこ盛り。
あとはボルトにも薄くグリスを塗って元どおりに組み付けます。
同じ手順でリアのブレーキレバーもきれいにします。
これで、スムースな作動がよみがえりました(^.^)
次はブレーキです。
銀翼は前後連動ブレーキなので、どうしてもディスクローターの
中央に段差ができてしまうようです。
sakanaさんのメンテ日記通りに、まずパッドピンを
緩めます。
なめないようにしなきゃ(笑)
ブレーキホースのクランプも外してしまいましょう。
その方が作業が楽です。
キャリパーを固定している上下のボルトを外します
ディスクローターからキャリパーをそーと外します。
走行距離が多く、削れたディスクローターだとうまく外れて
くれませんが、キャリパーを上から押さえ込むのは
できるだけ控えるようにしましょう。
ピストンに付着した汚れが中に食い込んでしまいますので、
押すにしてもできるだけ少ない量にとどめておきましょう。
ご覧の通り真っ黒です(>_<)
このまま新品パッドを装着してビストンを押し込めば
どうなるかは一目瞭然です。
擦り減ったブレーキパッドはよく観察しておきましょう。
このように水平にきれいに削れておれば問題ないのですが、
ナナメに削れてたり段差ができてたりした場合はいずれかの
ピストンがスムースに作動してないことが考えられます。
清掃(洗い)の作業に入る前に全部のピストンを少し出して
あげます。 リアブレーキ(左側)をにぎにぎすると真ん中のピストン
が出てきます。 前後連動ブレーキの仕組みですネ?
フロントブレーキ(右側)もにぎにぎします。
全部のピストンを均等に5ミリ程度出したら洗いに入ります
洗い道具です。
洗剤は中性のものならなんでもOKでしょう?
秘密兵器です(笑)
正式名称はブレーキピストンプライヤーというもので、
本来はキャリパーをオーバーホールする時にピストンを
外す道具です。
私は洗うためだけに購入しました(1700円)
ネットで購入したのですが無くなってました。
参考に違う会社のものを載せておきますネ
http://www.worldimporttools.com/img_new/wit_bike_brake/bike_brake_plier.htm
とりあえずブラシでゴシゴシ汚れを落としていきます。
一通りブラシで洗えるところを洗い終わったら、先ほどの
ピストンプライヤーを使ってグルッとピストンを反転させます。
裏側の汚れた部分が出てきました。
同様にゴシゴシ汚れを取っていって360度洗い終えたら
ここではじめてピストンを押し込みます。
(押し込む時は余分な水分を拭き取ってくださいネ!)
本来は三本とも洗い終わって十分乾燥させてから
押し込んだほうがいいと思います。
次は真ん中のピストンです。
洗剤をつけてゴシゴシ
同様に、グルッと反転させて裏側も洗います。
真ん中のピストンも洗い終えて、押し込んだところ。
ピストンだけでなくキャリパー全体もきれいにしたいので
パッドスプリングも外してしまいましょう。
全部洗い終えてピカピカになりました(^.^)
真っ黒です(>_<)
これだけの汚れがブレーキに付着してたなんて・・・
ここから揉み出しに入ります。
使用するのはシリコングリス、安いのでコレ使ってます(笑)
ブレーキフルードでもいいみたいです。
真ん中の連動ブレーキは押し込んでおいて、まずはフロント
ブレーキの2個のピストンからもんでいきます。
ピストン周りにシリコングリスを吹き付けます。
写真を撮りながらなので少し塗りすぎてしまいました(笑)
余分なグリスはウエスで拭き取りましょう。
もみもみ・・・
揉む、というのはようするに指でピストンを押しては、
ブレーキレバーをニギニギしてまた出してやり、
また押すことの繰り返しです。
手前のピストンを押すと奥のピストンがひょこっと出てくるので
今度はそっちを押してやります。 その作業を繰り返しピストンの
馴染みを良くしてやるのです。 ブレーキレバーを握った時
2個のピストンが同時にスッ!と出てくるようになれば作業は
終わりです。 気のすむまでトコトンもみましょう。
パッド交換ごとに、この揉み出しをしてやると当たりがついてきて
ピストンがどんどんスムーズに動くようになるらしいです。
よく言われる、キャリパーが育つというやつです。
私の場合今回が3回目です。 育ちすぎて次回は
オーバーホールかもしれません(笑)
真ん中のピストンも同様に揉み出しします。
揉み出しが終了したらいったん全部のピストンを押し込んで
パッドスプリングとリテーナーを取り付けます。
注意:パッドスプリングの取り付け方向に注意してください!
この画像間違ってます。 (あとで泣きを見ることに・・・)
ちなみにパッドスプリングの取り付け方向を逆にした場合
フニャフニャブレーキになりますヨ!
新品パッド、スタンバイ!
パッドピンもパーツクリーナーできれいにしてから
グリスを薄く塗ってあげましょう。
ピンだけにピンボケです(笑) おもんないゾ! (一人突っ込み)
さかな追記
ピンは段差が出来ますので、定期的に交換したほうが良いと思います。そんなに高い部品ではないので、1-2回に一度交換したらいいかも・・。先端のOリングも忘れずにどうぞ。段差があっても大丈夫ですけどね。
あと、緩める時は、気をつけてください。良い六角レンチを使用したほうがいいです。
新品パッドを順番にはめていきます。
うーん! やっぱり新品はいいですネ!
肉厚なのがたまりません。
これで10万キロまでもってくれるといいのですが。
新車状態っぽくなりました(^^♪
ほとんど自己満足です。
この後、ブレーキレバーを握った時にパッドスプリングの
取り付け方向を逆にしたことにきづきました。
もう一度バラして組みなおします(>_<)
作業は割愛させていただきますネ
秘密兵器そのAです(笑)
正式名称はワンマンブリーダーといいます。 (8000円ぐらいか?)
一人でエア抜きする道具ですが、購入したままだと
フルードの溜まる容器が倒れてしまうのですこぶる
作業性が悪いです。
で、こんなものを使用しております。
百均で購入した容器の内側にパイプを固定する金具
を取り付けております。 (計160円)
この金具にフルードの溜まる容器を差し込んで使用するわけ
ですが、この容器自体がワンマンブリーダーを収納するBOX
としても使えるので便利です。
チューブに残ったフルードが垂れてきても大丈夫!
(この時、もうそろそろ帰ると家族からのメールが・・・いそがねば!)
とりあえず、こんな感じで作業します。
ブリードバルブからフルードを抜いていきます。
銀翼は前後連動ブレーキなのでもう片方のブリードバルブ
からもエア抜きしてくださいネ。
フルードを補充する時こういった容器に移し替えてすると
作業が楽です。
継ぎ足します。
後はこの作業を繰り返していけば一人でフルードの交換も
できちゃいます。 今日はもう時間が無いのでほとんどエア抜き
だけで作業は終了させました。
作業終了!
リアブレーキまでできませんでした(>_<)
こういったメンテレポをご覧になって、自分でも作業をしてみよう
という方が中にはいらっしゃるかもしれません。
ですので、必要工具と作業の流れを簡単に説明しておきます。
ブレーキレバーの分解・清掃・グリスアップに必要なものです
・プラスドライバー(スカブハンドルカバーを装着している方)
・マイナスドライバー(ノーマル銀翼の方)
・ブレークリーン(パーツクリーナー)
・モリブデングリス
・ウエスまたは使い古しのT-シャツ
キャリパー脱着、清掃・揉み出しに必要な工具
・12ミリのソケットレンチ
・5番のヘキサゴンレンチ
・ブレーキピストンプライヤー
・バケツ
・中性洗剤
・シリコングリス
・新品パッド
・ブラシ(使い古しの歯ブラシが実は一番便利)
・ブレークリーン(パーツクリーナー)
・モリブデングリス
・あとウエスも必ず必要です
エア抜きに必要な工具です
・ワンマンブリーダー
・ブレーキフルード
・フルードを注入する容器(なくても可)
・ウエス
・8ミリのメガネレンチ
・プラスドライバー
まとめですが、ブレーキの動作をひとつひとつ分解して整理すると・・・
1.ブレーキレバーを握る
2.マスターシリンダーからブレーキフルードが押し出される
3.押し出されたフルードがブレーキホースを通ってピストンを押し出す
4.ピストンがパッドを押し出す
5.パッドとディスクローターが接触して摩擦熱が発生する
6.バイクが止まる
この1〜5の流れで車やバイクは止まることができます。
ですから、このそれぞれの箇所を新車時のように
スムースに動くようメンテしてやれば良い訳です。
ブレーキメンテで一般的によく行われるのが、エア抜きや
社外品パッドへの交換です。 私も最初のころは必死に
エア抜きしたりいろんなパッドを試したりしてもっとよく効く
ようにならないものかと試行錯誤しておりました。
でもこれだけでは新車時のようなフィーリングは保つことが
できません。 ポイントはピストンのスムースな動きです。
で、この部分はバイク屋で普通にパッド交換を依頼したとしても
なかなかやってくれるものではありません。
だから自分で清掃、揉み出しをしてあげるのです。
ブレーキの引きずりやローターにできた段差などはおそらく
ほとんどがこのピストンの動作不良によるものだと思います。
レバーを握った時に全てのピストンが同時にスッ!と動き、
放したときには同時にスッ!ともとに戻る・・・なかなかうまく
いくとは限りませんが、メンテの仕方によっては理想に近づける
ことが可能です。 擦り減ったパッドをよく観察するのにも
意味があります。 揉み出しの前に、どのピストンが動作不良
を起こしているのかおおよその見当をつけるためなのです。
興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。
あと、ブレーキレバーの分解、清掃は意外と効果ありますヨ!
パッドは高いですがNISSINの純正品が一番いいみたいです。
(コメント)
いかがでしたでしょうか? 少しでも参考になれば嬉しいです。
私も最初はsakanaさんをはじめ、いろんな方のHPを参考にしながら
見よう見まねでやりはじめました。
清掃、揉み出しをやり始めたのも3万キロを越えたあたりからです。
でもこの清掃、揉み出し、一度やると病みつきになります。
ブレーキを握った時にパッドとローターの削れるあのグゴォォー!と
いう感触がよみがえるのです。
パッド交換ごとに毎回やってるとホントに馴染んでくるように思えるから
不思議です。
一見地味な作業ですが、こうやってきっちりメンテしてやるとローターも
きれいに削れていくし、パッドも最後まで使い切ることができて
経済的です。 なによりもバイクに対する愛情が沸いてきます。
あくまでシロウトの自己流ですので、プロの方から見ればいろいろ
とご指摘もあるかと思います。 もっとこうした方がいいというご意見など
ありましたらまた教えてください。
ちなみにバイク屋でパッド交換を依頼した時は、このように手間の掛かる
清掃、揉み出しはやらないそうです。 エアーで軽く汚れを吹き飛ばして
新品パッドを組み付けるだけです。
プロはフルオーバーホールしてきっちりと料金をいただくとの事です。
(追記)
目標の10万キロも、もうそろそろ見えてきました。
考えてみればsakanaさんのHPにもずいぶんお世話になりました。
バイクのこともたくさん勉強させていただきホントに感謝しております
やはり距離がかさむとフィーリング面でいろいろなところが劣化してくる
ようです。 定期的なメンテだけでは到底新車状態のフィーリングには
戻せないこともわかってきました。
ある意味、銀翼メンテ日記を追いかけるように私もメンテ記事を
投稿してきましたが、正直sakanaさんのコメントに間違いはないです。
銀翼は「銀翼メンテ日記」通りに劣化していきます。
ですから、もう次のメンテで何が必要かもわかっております。
駆動系一式、ディスクローター、リアのショック、フロントフォークOHなどな
ど・・・
ただ私はもうそれをやりません、おそらくこの冬ベルトを交換するのが
最後の主なメンテになると思います。
銀翼メンテ日記は銀翼乗りのバイブルだと思います。
今まで安心して乗ってこれたのもsakanaさんのHPの
おかげだと思います。 感謝しておりますm(__)m
最後に、10万キロ達成したらまた投稿させていただきますネ!
意外と先は長かったりして・・・(^_^)
さかなより
詳細なブレーキメンテレポありがとうございました。過去に一度試乗させていただいた際、ブレーキのカッチリ感にかなり感動したものでした。ここまで違うものかと。ブレーキのタッチにこだわりのある方、ゼヒ一度試してみてくださいね。作業は十分気をつけて・・。
ちなみに、OHしていないサスや通勤でくたびれたエンジン&駆動系はガタガタでした(笑)同じバイクなのに、運用でこんなに違うものかと驚くばかりです。
追記 2006.01.15
プロのまっちょさんがアドバイスを掲示板に書き込んでくれました。アドバイスありがとうございました。
私バイク屋営んでおりますが ブレーキメンテあそこまで出来るのでしたら
必ずピストン抜いてシール交換orシール外して洗浄&シリコングリスで
グリスアップメンテをお勧めします!
シール溝に必ず腐食発生してますし ピストン回した時にダストシールや
本シールがねじれて切れてしまうことがあります
1万K以上走ったら フルード交換も含めてキャリパーOHしたほうがベターです
シール溝の腐食にきっとびっくりしますよ!
その腐食を取り除いてピストン共に洗浄、シールメンテしないと
あまり意味がないと思います
工具等もバッチリお持ちなので 是非トライしてください!
自信のない方や工具ない方は 重要保安部品なので絶対にやらないで下さい・・・
楽しいSWライフ 皆で来年も無事故で過ごしましょう
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